ラジオコレクター必携　隠れた傑作　ソニー　ICF-P2

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商品の説明

79年、第二次オイルショックの直後に発売された３バンドラジオです。
定価￥16800。
ソニーのカタログには単1電池2本で連続145時間仕様可能と大書されて居ます。
原油価格が大幅にアップし、換算ベースではウクライナ侵攻で高騰した現在の価格と変わらない位となり家計には深刻な影響があったかと思います。
丁度この年に社会人となった小生ですが、狂乱物価で悩まされたという印象はありません。
気楽な独身であったことと、給与が毎年可成のペースで上がっていったので生活が圧迫されるまでにはならなかったのでしょう。
この辺りが現在の狂乱物価とは違う処です。企業が空前の利益保留をしている一方で労組の賃上げ要求は至っておとなしく、このままではジリ貧です。労働者はもっと強気で立ち上がるべきかと思ってしまいます。隠居した身でこんな事を言うのも何ですが。
79年に時間を戻せば、世の中今と同じ様に緊縮ムードが強まりました。多分ラジオもそんなに多くは売れず、各社ポストBCLの方向性を模索して居たものと思います。
そんな時期に売り出されたこのモデルは、元々の省エネ仕様に加えてサイドに省エネスイッチが有り、これをオンにすれば音量も絞られる仕組みになって居ます。
他にポンと押せば60分後に自動で電源が切れるタイマーも備えて居ました。
余り数は出ておらず、小生の記憶でも今回が2台目です。
入手時点では結構草臥れた外観、アンテナは先端欠損、チューニングノブ欠品、バンド切替不動という満身創痍でしたが、整備中にスピーカーが異常に立派である事に気付きました。10cmのフェライトですが、磁気回路はφ70mmも有り、ポータブルの10cmとしては最大でしょう。躯体は大きくはないものの前後にはリブが巡らされたがっしりした作りです。
更に驚いたのはソニーらしからぬ野太い音作りです。
小生が常々称賛しているワールドボーイTXに負けない強く、しっかりした音で、低音は音程明確、高音もスッキリと伸びていて久しぶりに良い音のモデルを再発見しました。
単1使用とはいえ二本で3Vの電圧で十分な音量を出す為、強力な磁気回路が必要でそれが良い方向に作用したのでしょう。
デザインは79年のグッドデザイン賞を獲得しており、ソニーのHPに掲載されているので同社内での評価も高かった様です。
状態はそれ程良くありませんが、可成お薦めです。電池付。